フジカは燃料が入ってる状態でも車に積載できるので(自己責任) 使い方次第ですが一泊程度のキャンプなら大げさな携行缶は不要です。
しかしフジカ以外の石油ストーブや二泊以上のキャンプでは灯油を給油する必要があります。
そこで今回はフジカハイペットを快適かつ便利にする為のアイテム第6弾【灯油携行缶】です。
筆者が使ってきた携行缶を元にお勧めの携行缶をご紹介します。
尚、灯油は危険物ですので選ぶべき携行缶の種類や取り扱いの注意点も載せています。
灯油携行缶の必要性
先述したようにフジカの場合、一泊のキャンプならば大容量の携行缶は要りません。
それでも燃料切れが不安な方は燃料ボトルに灯油を入れて持って行けば安心でしょう。
MSRの燃料ボトル 容量30oz(887ml)
この燃料ボトルの場合、フューエルファネル(漏斗)があると溢さず灯油を補給できます。
Trangiaの燃焼ボトル 容量930ml
ボトルの蓋を開けずに燃料補給ができ、フューエルファネルも必要としないスグレモノです。
燃焼ボトルは少量ではありますが、一泊キャンプの予備として持って行ってもいいでしょう。
しかし2泊以上のキャンプでは携行缶が必要になってきます。
さて、灯油携行缶が必要なら何リットルの携行缶が必要か…
これは石油ストーブを何時間使用するかにもよります。もちろん石油ストーブ以外にも灯油を使う場合(ケロシンランタンなど)もあるので一概に何リットルとは言えません
フジカの場合、タンクに燃料を入れた状態でキャンプサイトまで運搬した場合なら2泊で5Lもあれば足りてしまいます。
しかし暗くなってから朝まで使い続ける場合や、先述したように石油ストーブ以外に灯油を使う場合は10Lの灯油携行缶が必要になってきます。
フジカ以外の石油ストーブの方は、燃料満タンで何時間燃料できるかを調べてから必要量の携行缶を購入するようにしましょう。
携行缶の種類(素材)
灯油携行缶の素材は大まかに二種類あります。
ポリエチレン製と金属製です
ポリエチレン製の容器はポリタンクやポリカンと呼ばれていますが、灯油を保存するポリタンク(ポリカン)は高密度ポリエチレンでなければなりません。
因みに高密度ポリエチレン製でも軽油用のポリタンクに灯油を入れることはできません。
そしてポリタンク(ポリカン)には寿命があります。一般的な灯油用ポリタンクで5年だそうです。筆者は自宅用のポリタンクを8年程使っていますが、これはマズいですね…
つまり携行缶を長く使う予定なら、買い替えコストを考慮して選ぶのが最善でしょう
金属製携行缶はステンレスやスチール製が一般的です
ステンレスは錆に強く、耐食性に優れてますが、お値段が少々高いことが難点です。
スチール製はご存知の通り錆には弱いのですが、防錆処理や耐ガソリン処理を施したものもあります。
- ポリタンク(ポリカン)は軽量で給油や運搬が楽ですが金属製に比べ耐久性が劣る(5年目安で交換)値段は金属製容器に比べて安いものが多い。
- 金属製は耐久性があり、ステンレス製は耐食性にも優れているが容器自体が重く、取回しに苦労する。値段はポリタンクに比べて高いものが多い。
灯油携行缶の素材は以上になりますが、これらの素材ならどんな物でもいいと言う訳ではありません。
ネットショップやSNSで、ウォータージャグ程度のスペックしかないポリタンクを灯油缶として紹介しているのをちらほら見かけるので購入時は必ず確認してください。
携行缶の安全性と注意点
筆者は危険物取扱者の有資格者ですので、堅苦しくなりますが立場上伝えなくてはいけない注意点が2点あります。
灯油は危険物であり、危険物を貯蔵運搬する以上、消防法に適合している携行缶を使用しなければなりません。
消防法に適合した容器には、危険物保安技術協会(KHK)、日本ポリエチレンブロー製品工業会等の表示やUNマークが付いていることが条件になります。
それぞれの規格には危険等級があり、ガソリンは等級Ⅱで、軽油 灯油は等級Ⅲとなります。
因みにKHKとUNの容器にはマークの他、容器に収納できる危険物の区分がアルファベットのXYZで表記されています
一方、金属製の携行缶はガソリン用や軽油用のものを代用する形となりますので、灯油用と記載されたステッカーを貼りましょう。
例えばキャンプ場に行く道中 事故に遭った場合や、災害などで避難している場合、携行缶に内容物が記載されていれば他者に知らせることができます。
石油ストーブ以外で使わないならば間違えることはないのですが、他者に携行缶の内容物を知らせるために必要となります。
筆者が使っている携行缶
先ずは初代携行缶です
ホムセンなどで普通に買えるガソリン携行缶。容量5L
この容量では足りない時があり、キャンプ中にコメリやガソリンスタンドに給油しに行った経験があります。
容量の問題もありますが、ホースの経がフジカなどの給油口に合わないことと、携行缶を持ちながら給油するスタイルが地味に面倒くさいこともあり、ホースが劣化して給油時に漏れるトラブルをキッカケに買い替えました
平らなので積み重ねがしやすいように思えますが、ハンドルが出っ張ってるのでハッキリ言って積み重ねしにくいです。
続いて現在使用している携行缶
VALPRO社製のジェリカン 容量10L
VALPROとGELGで悩みましたが、専用スパウトの種類やカラーが豊富なことと、ガスケットなどの備品の購入が容易なのでVALPRO社製のジェリカンにしました。
画像だと分かりにくいのですが、この容器は危険物区分Yと表記してあるので、Ⅱ類とⅢ類(ガソリン、軽油、灯油)の収納、運搬ができます。
この携行缶は別途でスパウト(専用ノズル)を装着できるのですが、携行缶を持って給油するスタイルが嫌なのでスパウトは購入しませんでした。
筆者が携行缶を持って給油するのが嫌いな理由は、単純に疲れるからです。
5Lの携行缶ならまだしも、10Lの携行缶を手に持ち、灯油を溢さないようにフジカに給油するのは意外と疲れます。ケロシンランタンへの給油時は腕がプルプルしてきます。
この辺は好みになりますが、軽さを求めるならば高密度ポリエチレンのポリタンク(ポリカン)、重さを気にしない怪力の持ち主なら10Lの金属製携行缶にスパウトが良いでしょう
筆者は10Lのスチール製携行缶を給油ポンプで使う…という全くカッコよくない給油方法に落ち着きました。
給油ポンプなどの周辺器具はまた別の記事にします。(たぶん)
では、キャンプなどで実際に携行缶を使ってきた筆者が選ぶおすすめ携行缶をご紹介します。
先ずは5Lの携行缶から
エトスデザイン RED CAMEL ガソリン携行缶
いきなり変化球…エトスデザインのガソリン携行缶
5Lの金属製携行缶です。手持ちで給油するならこの容量ぐらいが良いでしょう。
唯一無二のデザインです。ノズル一体型で直接フジカに灯油を給油することができます。
スチール製で内部は亜鉛メッキ加工が施してあり錆に強くなっています。
UN規格取得品(消防法適合品)ですので、安心して運搬できそうです。
GELG ジェリカン5L
GELG/ゲルグのジェリカンはNATO軍やポーランド軍に正式採用されている本物のジェリカン もちろんUN規格適合です。
専用スパウトはこちら
ベージュはグリーンに比べて在庫が少ないので購入に苦労しそうです。
こだわり派の方にもおすすです
こちらはGELGの耐食性に優れたステンレス製のジェリカン
ステンレス製は値段が張りますが、これといったメンテナンスもなく、長く使えるのでコスパが悪い訳ではありません。
ポリタンクやスチール缶にはないステンレス独特の光沢感は素晴らしく所有欲を満たしてくれるでしょう。
VALPRO ジェリカン5L
VALPRO/ヴァルプロ 筆者が使用しているジェリカンの5Lのものです。
VALPRO社製のジェリカンは10年以上にわたり多くの軍隊に製品供給実績があります。 ( ドイツ軍 ( BWB )、ベルギー軍、デンマーク軍、スイス国防軍、フランス軍、英国国防省他 )
スチール製ですが、容器内部にも防錆処理および耐ガソリン処理を施しいるので長期の使用に耐えられる作りになっています。
こちらは5Lのジェリカンに専用クリップとスパウトがセットになっています。バラで購入するのが面倒な方に
専用スパウトはジェリカンのハンドルに取り付けることができるのでスパウトを忘れるということはなさそうです。
尚、エア抜き用の穴かないので給油時に困りそうに思いますが、独自の機能を採用し給油時の息継ぎを抑え、なんと20Lタンク全容量を25秒注ぎ終えるという凄い技術が詰まっています。
5Lなら何秒で注ぎ終えることができるのでしょうか…
ヒューナースドルフ ポリタンク5L
灯油ポリタンクでお馴染みのヒューナースドルフ ドイツ製でUN規格適合品(灯油のみ)
自宅やキャンプサイトにも溶け込むデザインでとても人気があります。キャップは子どものいたずらを防止するロック機構のキャップで、専用ノズルはタンク中央にはめ込んで収納できるようになっています。
しかしこの専用ノズルは締まりが甘く、ゴムパッキンもないため給油時の燃料漏れを起こすことも…
しかもノズルの注ぎ口が太いのでフューエルファネル(漏斗)が必要になります。
更にエア抜き機構がもありません。
デメリットが目立ちますますが、別途ゴムパッキンを用意するなどの工夫をして使うのも愛着が沸いていいかもしれませんね。
タンゲ化学工業 灯油タンク ブラック5L
数量限定で生産しているタンゲ化学工業の灯油タンク ブラック もちろん消防法適合品で日本製
専用ノズル付属でノズルの太さもフジカなどに合いそうです。もちろん片側のキャンプを開ければエア抜きもできます。
それでも5Lでは不安な場合はMSRの燃料ボトルなどで補うのもありです。
続いて10Lのおすすめ携行缶です
メルテック ガソリン携行缶 縦型ステンレス製10L
ガソリン携行缶でお馴染みのメルテック
ステンレスならではの光沢はもちろんのこと、KHKとUN規格適合品(危険等級Ⅱ)なので安心して灯油の運搬ができます。
専用ノズルはタンク内に収納できるのですが、灯油が入っている状態だとノズルが灯油まみれになるという諸刃の剣…
VALPRO ジェリカン10L
スチール製携行缶 筆者が使用しているジェリカンです。
各種適合 / 認証
消防法ガソリン運搬容器適合品
BAM-Dangerous Goods Transportation Approval (危険物輸送認証 ) ;TÜV-Rheinland ( テュフラインランド ) ; EN-3 ; CEマーク; UN規格適合
力自慢の方はスパウトもどうぞ ※専用スパウトはジェリカンの容量は問わず同じものが使用できます
フレキシブルタイプ(蛇腹)のスパウトは注ぎ口の方向を自在に操れてとても便利です。
タンゲ化学工業 灯油タンク ブラック10L
先ほど5Lでご紹介したタンゲ化学工業のポリタンクの10L用です。もちろん消防法適合品
続いて同メーカーの軽油も入れられるポリタンク
タンゲ化学工業 両油缶10L
軽油と灯油の試験を合格した珍しいポリタンク
ロングノズル付属で内容物の識別に便利なシール付
もちろん日本製です。
便利なアイテム TRUSCO 給油用ポンプ
ちょい出しになりますが、給油に便利なアイテムを一つ紹介します。
軽量なポリタンクでも10Lとなると手で持って給油するのは中々大変です。
この給油用ポンプはJIS規格の灯油缶に対応しているので日本製の灯油ポリタンクであれば適合します。
筆者は自宅用のポリタンクで使っていますが、ガンノズルの漏れもほぼ無く使い勝手は良好です。
このポンプの詳細や給油に纏わる便利なアイテムはまた別の記事にでも…
さいごに
フジカハイペットを快適かつ便利にする為のアイテム第6弾【灯油携行缶】はいかがでしたか
寒い季節に身も心も暖めてくれる石油ストーブ
しかし、一つの選択ミスで愉しいアウトドアライフが残念な結果になることもあります。
灯油は危険物ですので、運搬する以上は確かな製品でなければなりません。
購入時は必ず灯油を運搬できる規格の適合品を選びましょう。
ではまた
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