皆さんはククサという木製のマグカップをご存知だろうか
※ご存知の方は次の見出しへ進んじゃってください
ククサについて
スカンジナビア北部のサーミ人が作る伝統的な木工技術で、白樺の木から作るマグカップのような形状のものをククサと呼ぶ。
白樺の瘤(こぶ)から作られたククサはそうでないものと比べ長持ちし、一生涯使える物もあるのだそうだ
フィンランドの伝統で、ククサは新生児に贈られるという。
※この記事ではサーミ人以外が作ったものや、白樺以外の木で作ったたものもククサと呼ばせていただきます。
スカンジナビア北部、つまりラップランドなのだが、ピンとこない方はサンタクロースが住む場所といえば、お分かりいただけるかもしれない。
このラップランドにはサーミ人と非サーミ人が住んでいて、言語もサーミ語、ノルウェー語、フィンランド語、スウェーデン語、ロシア語と多様だ
地理的に4カ国にまたがっている場所。それだけ複雑な歴史があるということだろう
さて、そのククサなのだが 贈られた人が幸せになると云われていて、兄、妻、娘と既に3人にククサを贈っている
ククサといっても妻に贈ったものは日本の職人が白樺ではない木で作ったククサで、娘のは所謂クピルカだ
どちらも使い勝手が良い。伝統的なククサは手入れが少々面倒ではあるが、この2つは普通の食器のように扱える※食洗機や電子レンジの使用不可
そんな便利でデザインも素晴らしい様々なククサがあるのだが…未だ誰からも贈られてない人物がいる…僕だ。
そこで自分でお気に入りのククサを選び、代金を後から妻に請求しようと考えた
これで人から贈られたことになるだろう…
と、悪知恵を働かせた罰なのか、ようやく気に入ったククサを見つけたが、注文してから9ヶ月半経っても未だ届かないというトンデモなハプン。飛んでも8分歩いて10分というイカレポンチっぷり
…何を書いているのか自分でも理解できなくなってきたが、この話はロシア帝国とククサを巡る長い戦いの記録なのである
戦いの幕開け
国内のネットショップでククサを探すもなかなか自分好みのデザインがない
これはと思ったククサ(ソウルオブシベリア)はInstagramでも人気で品切れ中、しかもやたら値段が張る
昔、兄にククサをプレゼントした頃は白樺の瘤から作ったククサでも安かったんだけどね…需要と供給のバランスなのかしら
と、まぁ国内で探すと兎に角高い。並行輸入なのに高い…爆発的なキャンプブームなので便乗値上げな感もあるが
そこで個人輸入をすることに…海外のハンドメイドといえばEtsy
そう、今回もEtsyからお気軽個人輸入をしたのだ
ククサを探すとかなりヒットする。そう、この手の物はEtsyの得意分野でもある
そして気になるククサを見つけては翻訳して詳細を調べていく…
すると素敵なククサに出会う。調べてみるとソウルオブシベリアと同じロシアの職人みたいだ
ふむふむ…彼(ベロヤール氏)はククサ職人で、InstagramのアカウントやYou Tubeのアカウントを持っているみたいだ。これなら安心して注文できる…ポチッとな
※サムネイル画像はベロヤール氏のホームページから抜粋 https://beloyaryargin.com/
注文したのは12月27日 オーダーするとすぐに本人からメッセージが届く
文章からアットホームな人柄が伺える。ベロヤール氏と御子息のベロヤーラ君の名前も添えられていた。
そして翌年、つまり今年の1月29日に発送したとのメッセージが届く
それから一ヶ月経過したが届かない。荷物の追跡をしたが相変わらずロシアポストで止まったままだ
おそろしやロシアポスト
おそらくコロナ禍で国際郵便が遅延しているのだろうとあまり気にしなかったが、二ヶ月、三ヶ月経っても届かない…
その間にEtsyから注文した別の品物が届く。その品はオーダーしてNYから5日で届いてしまった…
これはおかしいとロシアポストについて調べると、コロナ禍など関係なく遅延は当たり前だということが分かった
ロシアの税関にも問題があるらしい。つまりこの国の国際郵便システムは驚くほど機能していないのだ
もちろんベロヤール氏が悪いわけではない。彼は間違いなく僕の住所宛にククサを発送しているのだ
つまりロシアポストに問題があるわけだが、どうしたものか…
僕自身も忙しく、毎日ククサのことを考えてるわけではないので、たまに思い出してはいつか必ず届くと自分に言い聞かせていた
まさかの展開
発送から八ヶ月が経った頃、これはロシアポストで破棄されたか職員が盗んだかでしかないと思い、対策を考える
ベロヤール氏に直接メッセージを送ってもよかったのだが、なにか申し訳無い気がしたのでEtsyに問い合わせることに
しかしEtsy側は注文状況の確認や返金に対しての質問はセラーに直接質問することを推奨していて、セラーが質問に応じない場合にEtsyがサポートするということだ。
そして返金は取引日から180日以内ということもわかった…時すでに遅しだ
もはやベロヤール氏に直接メッセージを送る以外に選択肢はない。
そこでとりあえずEtsyのお店を覗きにいくことに…
閉店しとるがな
つづく
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