駒出池キャンプ場 気が触れた先に

駒出池キャンプ場

駒出池キャンプ場 ビーンブーツと余命宣告の続き

寝袋…?

ん…このコンテナの中にあるはずだけど?

そうなの?それならいいんだけど…

一体なんだというんだ?

まぁいい。気を取り直してテントサイトまで全ての荷物を運ぶ

この日のテントはFJALL RAVENのアビスコエンデュランス4とタープはUNIFLAMEのREVOタープTC

家族で行くキャンプでは定番の組み合わせだ

しかし、この駒出池の周りは土というか砂の質がサラサラだ…

雨が降ったら水捌けはどうなんだろという土壌だ

おそらく以前は芝生だったと思われるが、昨今のキャンプブームで芝生の育成時期に毎日毎日テントを張ってしまうので砂地になってしまったのだろう。

一等地の一部が芝生養生中だったのも頷ける

そして余りに粒子の細かい砂なので身体や衣類、特にテントに一度付いたら払いきれない

FJALL RAVENのテントはシルナイロン素材。このシルナイロンの欠点は通気性の悪さだが、細かい砂が付くと水洗いしない限り取りきれないという地味な嫌がらせ的な欠点もある。

僕に至っては靴下にサンダルというスタイルだったので、テント設営すらしてないのに既に靴下が砂で真っ茶色だ。

一回目の搬入を終え、残りの荷物を取りにカートを転がす

そしてよく見てほしい

サイトまでカートを転がしただけなのに、黒のビルケンシュトックがこの有様だ。

靴さえあれば…

無事に設営は終わり、妻はテント内でスリーピングマットと寝袋のセットをすることに

僕はタープ下にテーブルやらイスをセットする

あ~!!!!そういうことね〜アハハハハ

と、大きなひとり言が聞こえてきた

あ~なるほどね〜 こんなに…へ〜

道中あれ程口数が少なかった妻が急にテント内で喋り始めた

一体何事だ…いよいよ気が触れてしまったのか?

心配になってテントの中を覗くと妻が涙を流して笑っているではないか…

どうしたの?なんかあった?と、僕

このコンテナに寝るもの全部入ってたのね〜絶対に入らないと思ったから寝袋忘れて来たかと思ったよ〜

ど、どういうことだ…?

そう、今回のキャンプは妻にとって数ヶ月振りとなる。その間、妻と娘の寝袋を新調したのだが、キャンプで使うのは今回が初めて

以前の寝袋は丸めたら米俵のような大きさだったので、このダウンシュラフの小ささに驚いたということだ

寝袋を家に忘れてしまって、寝る時は車で寝ようと考えていたらしい。

…たったこれだけの話しだ

そう、たったこれだけの話しだが、道中顔色が悪く、口数も少なくなるぐらいに寝袋の心配をしていたと思うと何か申し訳ない気持ちになった

万一寝袋を忘れたのなら悪いのは完全に僕なのだから

そしていい加減ビーンブーツのことも許してやろうと思うのであった

つづく

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