道志の森 幸福的飲料店

道志の森キャンプ場

今回は友人と二人で道志の森キャンプ場へ

友人(サム)とは職場で知り合って20年近い付き合い。朝まで飲み明かしたりスノーボードで車中泊をしたりする間柄ではあるが、キャンプは初めてのことだ

サムに前回行った四徳温泉のキャンプ画像や温泉の話しをしていた時に「オレも行きてー」みたいな顔をしていたので、「今月お互い休みが合ったら行く?」と言うと、サムの目がキラリと輝いたのは記憶に新しい。

サムは柔軟で、いや、優柔不断と言ったほうがしっくり来る。物腰は柔らかで、自分の意見は余り言わない男だ

当初は彼の車で行く予定だったのだが、車の調子が悪いらしく遠出は怖いとのこと…思い起こせば、雲行きが怪しくなったのはこの時からだ

仕方なしに僕の車で行くことになったのだが、キャンプ道具に関しては当初の予定通り、テントやテーブルといった大物はサムの持ち物で、自分はといえばイスやコットなどの個人的に使うものだけだ。楽でよろしい

当日の早朝、我が家に来てもらいキャンプ道具を乗せ換えるわけだが、テーブルを忘れたとの事…

キャンプ道具はいつも車に積みっぱなしって言ってたじゃない…まぁいい、部屋に戻りキャンプテーブルを取りに行く。

必要なもの全てを積み替えたので道志に向け出発。

暫く走ると…「あ、そうだ…向こうに着いたらホムセン行ってほしいんだけど…寝袋ないんだ…」

「は?えっ?寝袋がない?え、なんで?」

「たぶん、せがれに持ってかれたと思う。今、友達とシェアハウスに住んでるらしくてさ…」

暫くハンドルを握りながら考えたのだが、話しの内容が理解できない。100歩譲って倅が寝袋を私物化してしまったとしても、キャンプに行く前に車内のキャンプ道具を確認しないのか?テーブルしかりだ。

それに荷物の積み替えをしてる時に何故テーブルだけ忘れたと言ったのか…あの時点で言ってくれたら自宅に予備の寝袋があったに…

もはやUターンするほど自宅近くにいるわけではないし、今後の予定を考えると諦めざるを得ない

しかし久しぶに友達と出掛ける。出掛けているわけだが、ドライブをしているだけで実に楽しいのだ。

まぁ幸先は悪かったが、寝袋なら現地で調達できるだろう。今回はフジカを点けっぱなしにして寝る予定だ、ホムセン寝袋でも大丈夫だろう

調布ICから中央道に入り、相模湖ICで下り下道を走ると道志村だ。家から2時間ぐらいだったか

キャンプ場に入場する前に無人の薪販売所があるのだが、広葉樹は売り切れで湿っぽい杉しか置いてなかった

とりあえず買うのをやめて入場する。金曜でもあちこちにテントが張ってある…入り組んだ場内を車で行き来したが、良さげ場所は既にテントが張ってあった

もと来た場所を通ると撤収し始めているキャンパーを発見。すかさず隣に車を止め、声をかけると「もう帰りますよ。車退かしましょうか?」

急かしてる風になってしまうので、「大丈夫ですよ。ゆっくり撤収して下さい」と言い、僕らは車からテーブルとイスを出してのんびり場所が空くのを待った。

とりあえず場所は押さえた。金曜の朝一でこんな状態か…明日からどうなることやら

道志の森キャンプ場のキャンプサイトは全てフリーサイト。時期や曜日によって早く着いたから良い場所を確保できるとは限らないのだ。

ここは通年営業だが、11月の中旬辺りから春まで水道が凍ってしまうので止水する。情報ではこの週末に止水するような感じだったので、キャンパーも少なく場所選びも容易と思っていたが、炊事場もトイレも使えているようだ…なるほど混んでるわけだ。

僕らが待っている間、何台かの車が入場して来て、良い場所はないかと探していた。僕らのタイミングは間違いなく良かったのだ…幸先悪かったが、運には恵まれている

しかし、喉が乾いた…水は現地で買うつもりだったので、車に積んでいる飲み物は全て酒類。

そういや起きてから3時間以上経ってるけど飲んだ水分はコーヒーのみだ…浄水器があるから川の水でも飲もうかね

道志川は横浜市の水源であり、道志の森キャンプ場は道志川が流れている。運良く僕らがいる場所から降りてすぐにとても綺麗な道志川が流れている

さっそく水を汲み浄水フィルターを装着。

ん…ボトルを押してもひっくり返しても一滴の水も出てこない…

なんだこれ…何度もボトルを握るも水は出ずフィルターを外して川の水で濯いでみてもダメ…喉はカラカラだ

とにかく水が飲みたいのだ…なぜ一滴も出てこないんだ…そしてフィルターの上部をよーく見ると

飲み口の水滴は川の水で濯いだ時のです。

画像だと解りにくいが、氷のような透明な膜が張り付いている…指で触ってみたが何やら硬い膜のようだ

なんすかコレは?このフィルターは一年以上使ってなかったけど、こんな膜が張るなんて聞いたことも見たこともないよ…どうしましょう

とりあえず爪楊枝を刺してみたが、びくともしない…ボトルをムニュムニュ押すことしかできないしキャンパーさんの撤収も捗らない…

とにかくムニュムニュしていると…膜の端から泡が出てきましたよ

左端から空気が抜けてきた

膜が溶けたのかなんだか分からないが、ボトルを逆さにしてムニュムニュ押すとようやく一滴の水が出てきたのだ

しかし、謎の膜から出た水だよな…なんか飲みたくねーな…というか、一滴出すのに恐ろし労力だし…

そんなことしているうちにキャンパーさんの撤収が完了して、いそいそと設営開始。

とにかくテントだけ張って車でセンターハウスの自販機に行こう。チェックインも済ませねばならない

良い場所を探してかなり奥まできてしまった…センターハウスまで歩ける距離ではないのだ。

サクッと設営しよう。今回はサムのテントだ、勝手は分からんが男二人ならサクサク設営できるはずだ

サムが持ってきたテントはツールームテント コールマンのウェザーマスターというラインのものだ

幕は重くポールが尋常じゃなく長い…苦手なんだよなぁ…昔使ってたスノーピークのシェルターもこんな感じだったよなぁ~

そして予想通りというかテントのオーナーが設営の仕方を思い出せず説明書を見る始末…喉が乾いた…もはや唾も出ない。

ポールに差し込むピンが入らないトラブルや、ポールの交差を間違えてしまったりと…設営に30分もかかってしまった。

とにかくセンターハウスに向かう…喉が乾きすぎて声も出ない。

センターハウスに到着。チェックインを済ませる前に自販機に向かうもなんと自販機がやってない。

電源が落ちているみたいだ…よく分からないが、やってないものはやってないのだ。

諦めてチェックインを済ませ、車を走らせる。コンビニを調べるも近くにはないみたいだ…ビールでも飲んでしまおうか…キンキンに冷えたビール…いや駄目だ。クーラーボックスの氷を溶かして飲むか…

もはや水分の事しか頭にない状態…するとハッピードリンクショップという自販機が複数台設置してあるドライブインを発見。結構なスピードを出していたので、フルブレーキでドライブインに入る…まさに砂漠のオアシス。あの時の麦茶の美味さは一生忘れません

因みにこのハッピードリンクショップは山梨県や長野県では知らない人はいないぐらい有名な自販機ドライブインみたいです。山梨、長野以外に静岡県、神奈川県、群馬県にもあり約1200店あるらしいです

△ゆるキャンにもラッキードリンクショップという名で登場し、△ゆるキャンとコラボした店舗もあるそうで…僕は無知でした。

そんなハッピードリンクショップでハッピーな気持ちになり、何時間ぶりかに喉も潤い、ようやく寝袋探しのドライブが始まったのだ

つづく

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