10数年前、ミニベロで色々な場所へ行くのが趣味だった筆者は、行く先々で「休憩中にイスがあれば…」と思っていた
ミニベロのフレームに付けたり、バックパックのサイドポケットに差し込んだりできるコンパクトに折り畳める軽量なイス
欲を言えばデザイン性に優れ、耐久性も備えたイス…
結果的にMAGIC MOUNTAINのトレイルチェアーを購入したのだが、これが大正解だった。ミニベロ以外ではキャンプや軽登山、テーマパークや街でも使っている。
もちろん自宅(ベランダ)でも愛用していて、もはや無くてはならない存在だ
ちょっとしたトラブルで一度買い直したが、壊れたらまたこのイスを買うだろう
という事で、今回は何処にでも持ち運べるイス MAGIC MOUNTAINのトレイルチェアーを徹底レビューしていきます。
とにかく軽い
MAGIC MOUNTAINトレイルチェアーの重量は僅か290g(スタッフサック込)
軽量チェアの代名詞でもあるヘリノックスのグラウンドチェアは640g(スタッフサック込)で、なんとトレイルチェアー2脚分以上の重さだ
因みにヘリノックスの軽量モデルであるチェアゼロが510g(スタッフサック込)であり、いかにトレイルチェアが軽量なのかお分かり頂けただろう
もちろん全く異なる形状のチェアと重量比較してもあまり意味がないのは理解している。
そこで同じ形状のイス…その中でも軽量を売りにしているメーカー(2社)のイスと重量比較してみよう
先ずはロゴスのエアライト トリポッドチェア
エアライトと名乗るだけに期待できるチェアだ。色使いも良い
さあ、詳細スペックを見てみよう
総重量:(約)650g
LOGOS OFFICIAL ONLINE SHOPより一部抜粋
サイズ:(約)高さ47.5×幅34×奥行34cm
収納サイズ:(約)縦10×横37.5×高さ10cm
耐荷重:(約)90kg
構成:本体、収納バッグ
主素材:
[フレーム]6061アルミ
んん、650g…エアライトという割には少々重い…まあMAGIC MOUNTAINトレイルチェアーよりサイズが大きいし、耐荷重も90kgと大柄な方でも安心ではあるが、重量比較では話にならない。
因みに脚の材質は6061アルミを使っている。これは自転車のアルミフレームに使われているものであり、ある程度の強度を出すには厚く(太く)なってしまう。この辺りも重くなってしまう原因だろう。
勿論 MAGIC MOUNTAINトレイルチェアーよりもサイズの大きいチェアで比較しても意味がない事は筆者も同感だ
このままではインチキセールスマンと呼ばれても致し方がない。ならば次の比較対象はどうだろうか
モンベルのL.W.トレールチェア26
さあ、真打の登場だ。山行での使用を想定した超軽量でコンパクトに収納できるチェア
L.Wは恐らくlight weightの略だろう。軽さを全面に出したモンベルチェア…まさに重量比較の対象にもってこいだ
それにしてもMAGIC MOUNTAINのトレイルチェアーに似ている…細部までそっくりだ。名前もトレイルとトレール。実に紛らわしい
因みに名前を間違えそうなので今後はM.MトレイルチェアーとL.Wトレールチェア26呼ぶことにした。余計に紛らわしくなった気もするが、この呼び名で進めていこう
さて、ここまで似ていると重量も似たようなものかと思ったが、商品スペックを見るとL.W.トレールチェア26は363g(スタッフサック込)と、かなり軽量ではあるがM.Mトレイルチェアーよりも73g重いことが分かった。
【素材】本体:600デニール・ポリエステル[PVC・コーティング]
フレーム:アルミニウム合金
【重量】331g(363g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。
【カラー】ブラック(BK)、ブルーグリーン(BLBK)、イエロー(CYL)、ワインレッド(RUB)
【サイズ】高さ27×幅28×奥行き25cm(座面高26cm)
【収納サイズ】∅7.5×34cm
【耐荷重(静荷重)】約80kg
引用元 mont-bell
寸法も比較をしてみたが、L.W.トレールチェア26のサイズは高さ27×幅28×奥行き25cm(座面高26cm)
M.Mレイルチェアーは使用時高さ30cm、シート幅27cmで、折りたたみ長38(cm)
これだと分かりにくいのでモンベル風の計測方法で実測してみることに…
実測の結果は、高さ30×幅30.5×奥行き27.5(座面高29cm)
幅と奥行きの解釈が間違ってなければだが、M.Mトレイルチェアーのほうが大きいのに軽いということが分かる。
この重量差は生地と脚の材質によるものだと推測できる。
脚の材質に関しては超超ジュラルミンを使用しているM.Mトレイルチェアーに対してL.W.トレールチェアはアルミ合金だ
耐荷重が同じ80kgであることから超超ジュラルミンを使ったM.MトレイルチェアーはL.W.トレールチェアより脚を細くできた。つまり軽量にできたと推測する。
生地に関しては、モンベルは600デニールのポリエステルと記載してあるが、M.Mは無記載だった
因みにM.Mトレイルチェアーの生地がペラペラかと言われれば全くそうではなく、かなりしっかりした生地という事を付け加えておこう。
スタッフサックに関してもM.Mトレイルチェアーのほうが軽いのは言うまでもない。モンベルのスタッフサックは生地の約半分をメッシュ素材にしているのにも関わらずだ。
モンベルのL.Wトレールチェアは今回比較した26以外にも33という一回り大きいチェアもあるが、重量が416g(スタッフサック込)とかなり重いので比較対象外とした。
使い勝手の良さ
M.Mトレイルチェアーは軽さだけではなく、スタッフサックから取り出したら瞬時にイスとして使える手軽さが良い。
組み立てなどの面倒くさい作業はなく、ただ広げるだけ。
もちろん片付けも畳んで袋に仕舞うだけだ
スタッフサックに収納した仕舞寸法は約40cmで、サイドポケットがないバックパックや小さめのショルダーバッグにも対応する。
街でも使っている理由はこの手軽さだ
デザインについて
所謂トリポッドチェア(三角イス)なので、他社のトリポッドチェアと見た目は大した変わりはないのだが、脚の色で見た目がガラリと変わる
モンベルは座面の色が何色かあるが脚はシルバーしかない。
※L.Wトレイルチェアーの座面の色はブラックのみ
個人的な意見だが、この銀色の脚が実に安っぽく見える。
トレイルチェアーはシルバーの他にブラックも選べる。このブラックの脚がとても良いのだ
全体的に締まって見え、高級感がある。
高級感は言い過ぎかもしれないが、シルバーより遥かに見栄えが良い。
脚の色で迷われたなら間違いなくブラックをお勧めする。
以前、座面が革製で脚が木製のお洒落なトリポッドチェアを個人輸入しようとしたが、重量と値段で諦めたことがある
様々なシーンで使えるイス
冒頭でお伝えした通り、サイクリングやポタリングの小休憩の為に購入したイスなのだが、今では軽登山やキャンプ、釣り、テーマパークや飲食店の行列でも使っている超絶便利なイスなのだ
家族で行くキャンプにはもちろん寛ぐためのチェアも持っていくが、このチェアは焚火の準備から火熾し、焚火料理に至るまで…つまり火の番にこのトレイルチェアーはとても使い勝手が良い
これは座面の低さが使い勝手に起因している。例えるとしゃがんだ時よりやや高いぐらいで、ちょっとした薪割りやフェザースティック作りもしやすいということだ。
焚き火台にもよるが、ローポジションの焚き火台なら火熾しや料理もしやすい。
釣りに関しては座りっぱなしの釣り…例えるならヘラ釣りには向いてないが、防波堤などの投釣りには便利だ。
因みにランガンのような移動する釣りにも軽く素早く仕舞えるトリポッドチェアは向いているみたいだ。
あとはテーマパークや飲食店の行列でちょっと座りたい時にも重宝している
小さい子供がいる場合にもこのイスがあれば子供がグズることはないだろう
デメリット
長い時間座るとお尻や足が痛くなるとの口コミを拝見するが、そもそも寛ぐためのチェアではないのでデメリットとは言えないだろう。
M.Mトレイルチェアーよりも座面が小さいトリポッドチェアや、コンパクトに折りたためる四角いイスのほうが遥かにお尻などが痛くなる。
しかしトリポッドチェアに初めて座る時はバランスを崩して転ぶ人もいるので注意が必要だ。
娘が初めて座った時にバランスを崩して転がった時は少々焦ったが、あっという間に克服して今では当たり前に座っている。
あとは地面の凹凸や段差がある場所でこのイスに座ると三本脚の一本だけに荷重が掛ることがあり、脚が折れる可能性があるので注意が必要だ。
妻の体重は非公開なので分からないが、おそらく購入してから10年以上経っている事と、かなり酷使した使い方をしてきた事が原因だと思われる。
実際に新品のM.Mトレイルチェアーで試したが折れることはなかった。しかし用心するに越したことはないだろう。
個人的な意見だが、超超ジュラルミンを使用しているM.Mトレイルチェアーでも折れるということは他社の軽量トリポッドチェアでも耐えられないと推測する。
最後に価格なのだが、M.Mトレイルチェアーは軽量と謳っているトリポッドチェアの中では値段が高い。L.Wトレールチェア26との価格差は倍近い。
10数年前は三千円代で売られていたが、じわじわと値上げしている。
重さが気にならない程の軽るさとデザイン性、耐久性で選ぶならM.Mトレイルチェアーだが、そこそこ軽くてコンパクトになるイスなら何でも良いと思う方もいるだろう
無理強いはしないが、M.Mトレイルチェアーは実際に使ってみてリピートしたほどのイスだ。
興味のある方は是非
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